走行シミュレーション


では、いよいよ走行ラインを設定し、走らせてみます。
基本的に走行ラインは変えずに、基礎モデルの検討時につかったラインをそのまま使っています。ただし、より正確に作図し直したので若干数値の違いがあります。また、インプレッサにおいては南コーナー(下図9のコーナー)のRをメルセデスより若干緩くしてあります(下記補足説明参照)。今回からはライン計算も自動化したスプレッドシートを使って求めました。ダウンロードはこちら

CALINE.GIF

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走行モード

メルセデス(GT)

インプレッサ(ハコ)

走行距離

速度

時間

走行距離

速度

時間

1

右コーナー

コーナー

12.072m
(R=3.51)

6.43m/s

1.877s

12.072m
(R=3.51)

6.32m/s

1.910s

2

直線

等速

0.978m

6.43m/s

0.152s

0.875m

6.32m/s

0.138s

減速

1.021m

6.43
→5.63m/s

0.170s

1.124m

6.32
→5.54m/s

0.190s

3

ヘアピン

コーナー

8.099m
(R=2.70)

5.63m/s

1.439s

8.099m
(R=2.70)

5.54m/s

1.462s

4

直線

加速

7.154m

5.63
→8.87m/s

0.930s

6.685m

5.54
→8.85m/s

0.880s

等速

0.017m

8.87m/s

0.002s

0.011m

8.85m/s

0.001s

減速

1.973m

8.87
→7.69m/s

0.240s

2.448m

8.85
→7.55m/s

0.300s

5

S字前半

コーナー

10.137m
(R=5.01)

7.69m/s

1.318s

10.137m
(R=5.01)

7.55m/s

1.343s

6

直線

加速

2.178m

7.69
→8.43m/s

0.270s

1.744m

7.55
→8.28m/s

0.220s

等速

0.514m

8.43m/s

0.061s

0.948m

8.28m/s

0.115s

7

S字後半
〜日本平コーナー

コーナー

19.536m
(R=6.02)

8.43m/s

2.317s

19.536m
(R=6.02)

8.28m/s

2.359s

8

直線

加速

9.703m

8.43
→9.41m/s

1.070s

9.705m

8.28
→9.50m/s

1.070s

等速

0.082m

9.41m/s

0.009s

0.080m

9.50m/s

0.008s

9

南コーナー

コーナー

14.096m
(R=7.48)

9.41m/s

1.498s

14.901m
(R=7.91)

9.50m/s

1.568s

10

バックストレート

加速

23.071m

9.41
→9.57m/s

2.420s

22.317m

9.50
→9.71m/s

2.310s

等速

0.056m

9.57m/s

0.006s

0.057m

9.71m/s

0.006s

減速

0.378m

9.57
→9.35m/s

0.040s

1.131m

9.71
→9.18m/s

0.120s

11

北コーナー

コーナー

20.266m
(R=7.40)

9.35m/s

2.168s

20.266m
(R=7.40)

9.18m/s

2.208s

12

ホームストレート

等速

2.400m

9.35m/s

0.257

1.999m

9.18m/s

0.218s

減速

4.702m

9.35
→6.43m/s

0.600s

5.103m

9.18
→6.32m/s

0.660s

計 138.4m

平均 8.22m/s

計 16.84s

計 139.24m

平均 8.15m/s

計17.09s

※ラインについての補足説明


考察

 全体の結果を見てみると「GTボディの方がラップで約0.24s速い」という結果になりました。
これはバックストレートの最高速度付近では2m以上の差になりますので明らかな差が発生している、と考えられます。以上をもって「レースではGTボディをつかうべきだ 」と結論してしまうことも可能ですが、もうちょっと細かくみてみます。

 各部分を見ていくと、GTボディの有利な点というのは「コーナリングスピードのUP」であることがよくわかります。実際にラップ差のほとんどはこのコーナーでの差が占めています(コーナー総計でGT10.617s、ハコ10.85s、差0.233s)。一方ストレート部分ではほとんど差がついていません。これはストレートの進入、及び脱出スピードがハコボディの方が遅いハンデを考えますと、ハコボディはその加速性能、最高速度の伸びでこれを補っている、という利点が浮き上がってきます。実際にバックストレート部分のみではメルセデス2.466sに対しインプレッサ2.436sとわずかながら勝っていますし、最高速度も然りです。

 とはいえ、直線で0.03s速くてもその差は1/2車長差以下であって、思ったよりハコボディのメリットが出なかったなあ、というのが正直な感想です。大勢ではやはり一般論通り「デメリットを考えあわせても、GTボディの方が有利である」ということになりそうです。

 私個人的にはハコボディの方が好きです。オーバー傾向のセッティングでRを小さくしてまわる、あのコントロール感がすきなので・・・
実際にラップを測ってみても0.2sほどハコの方が速いのですが、まあこれはGTボディのポテンシャルを生かすドラテクがないということでしょう。アンダーのクルマは、コーナリング限界スピードを超えてしまったときの、アクセルを抜いた影響をあとあとまで引きずってしまうように感じていて、つまりコーナリング途中の補正が難しい、と個人的には感じています。


結論


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