ワールドドローム2002
ロガーデータ
バッテリーやモーターの違いと速度の関係
2002/06/22


 今年もシャシーにデータロガーをのせて走行しました。

 去年は速度(タイヤの回転数)と加速度(縦G、横G)を測定しましたが、今年は

 を測定するように改造しました。
今回は、バッテリーやモーターの違いによって、速度にどう影響するのか、を見られたらいいなと思っています。このページではロギングの結果をざっと見てみることにします。

 まず、典型的なデータ例です。

fig1
 ピンク色のグラフが速度(右目盛)、青が電圧(左目盛)のグラフです。
今年はプログラムをちょっと改良したので、速度のグラフがきれいですね^^)。

 速度のグラフを見ると、約5秒の周期、上下に約3−4km/hの幅で振幅を繰り返しているのがわかると思います。これは、昨年のシミュレーションから予想され、ロギングで実証された「バンク走行時における減速」によるものです。
 直線からバンクに入ると、約2Gもの力で路面に押さえつける力(縦G)が発生し、これにより路面との摩擦が増大、大きな走行抵抗となって減速・・・・と考えています。
 バンクを抜けた後は再び最高速まで加速、上下に振幅するグラフになります。
 青のグラフは電圧です。はじめ7.2Vくらいあった電圧が、徐々に下がって60秒後には7V付近まで下がっていることがわかると思います。速度の方も、はじめは90-94km/hで推移していたのが、1分経過後は84-88km/hと、ぱっとみて約6km/hも低下していることがわかります。ラップタイムで0.6−0.7sもの違いに相当します。でかいですよねー。

 ドロームの予選はベストラップ形式です。はじめの方のラップほどモーター温度も低く、バッテリーの初期パンチがあるので、ベストラップはなるべく早い周回で狙います。

 はじめのほうを拡大してみます。

fig2  fig_crs

 2周目に入るところからのデータです。青い矢印の間で1周、約10秒です。
この区間の平均速度をとってみると92.41km/hでした。
この時のラップタイム10.078sから換算すると、258mの距離を走行したことになります。ピスト最イン側の理想的なラインは250mですから、まあまあよく一致してます。

モーターによる違い

 では、まず「チューンモーター」を使った時と「なにもチューンしてないモーター」のときのデータを比較してみましょう。
 fig3
予選5ヒート("なにもしてない、かわにしモーター"使用)および第6ヒート(宮谷チューンモーター使用時)のデータの比較です。バッテリーはほぼ同等のマッチドバッテリー、充電方法やギア比など他のパラメータは全て同一です。
 黄色い矢印の区間が2周目のラップにあたります。電圧は特にこの区間ではほぼ一致しています。

 注目は、15−20秒区間の速度です。同じ電圧であるにもかかわらず、直線区間(「山」の部分)およびバンク区間(「谷」の部分)で、+2km/hものアドバンテージがあることがわかります。ベストラップも0.2秒ほどの差があり、この部分の差がそのまま反映されたものと思われます。
 このあたりについては、宮谷さんのダイノデータともあわせて、今後もう少し詳しく突き詰めてみるつもりです。

 いや〜しかし、モーターのチューンって、大事なんですね〜^^;)

バッテリーによる違い

 マッチドバッテリーの場合と、「過放電歴3回」購入後一年のヨレヨレバッテリーを使った場合での比較です。
(・・・そんなバッテリーをレース本番であえて投入するのは、私くらいなもんでしょう・・・・・^^;)
fig4
 こりゃーてきめんだ!!ヨレヨレバッテリーには、普通初期にみられる電圧のピークがなく、0.3V以上も電圧が低い!
平均時速で約3km/h、ラップタイムで約0.3秒のロスとなっています。
 ちょっと極端な例でしたが、特に初期の電圧がどのくらい速度に影響するのかの目安になると思います。

 バッテリーについてはもうひとつ、「使用方法」による違いのデータも取れました。

fig5
 ギア比やモーターはもちろん、バッテリーも同一のものです。
ピンク(速度)/赤(電圧)の方は、一日2回目の使用の場合のデータです。^^;)
初期はまあまあ遜色ありませんが、中盤(30-50秒付近)で電圧ががくっと下がってますね。60秒経過後も約0.1V低くなっていて、トップスピードが全く伸びなくなっています・・・。

 ということで、もし一日2回目の充電を行ったバッテリーを使うときは、予選に使いましょう。
このデータ取得時のように決勝で使用すると、ライバルに最終ラップでインからきれいにオーバーテイクをかまされる羽目になります。^^;)

 今後、以上のデータを使って、特にモータパワーに関してシミュレーションシステムを精密化していく予定です・・。

データ
シャシー アソシRC10L3O
タイヤ BSR:Fシルバー/Rナローピンク/タイヤ径62mm
ピニオン 54T
スパー 81T
モーター 27Tドローム用モーター
バッテリー

サンヨー3000HVマッチド
サンヨーNiCd2400"ヨレヨレ"

アンプ キーエンスZERO
送信機

JR R-1
D/R 28%, EXP -70%

受信機 JR R330S / PCM
サーボ JR NES-2855


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