恐るべし着磁マブチ
(99.11.20)


これまで孤独なRC人生を歩んできたかわにしですが、おかげさまで本HPを通じていろんな方とお知り合いになることができました。今日、「こやまさん」というかたと初めてサーキットでお会いしてお話することができたのですが、その中で、とてつもなく貴重なサンプルを借りうけてしまいました。

 タミヤGPでは車検の時にコギングの強さをチェックします。これは過去に、マブチモーターのカンに着磁処理を施し高出力になるようモディファイしたものが出回っていて、レースにおけるイコールコンディションの妨げになっていたことがあった・・ということがあって、こういうモーターはレギュレーションで規制されるようになったという経緯があるようです。

 今回お借りしたサンプルというのはまさにその「現在滅んでしまったはずの」着磁マブチ540モーターなのです。その場でさっそく開けて(何と全く未使用の状態です)軸を回してみると、もうゴギゴギです(笑)。他社製23T、とまでは行かないにしろスポチュンと比べても明らかにゴギゴギでした。その強いゴギングから想像できる絶大パワーを想像しながら、その強大さゆえに絶滅してしまった白亜紀の恐竜に思いを馳せてしまいました・・・・・というのは今思いついたうそです。

 これはおもしろい!さっそく家に帰ってじっくりみてみると・・・・ううむやっぱりただの540じゃん。違いは旧型なのでコンデンサが外側についているくらいです。全く未使用ということで、ブラシをみると全く削れていません。端っこがコミュから浮いている状態です。ふつーのマブチなら速攻で三時間の慣らしにかけるところですが、いかんせん恐竜ゴギドンの化石は貴重なので申し訳程度に10分、3Vで軽く慣らしました。そしたらあーた、いきなり9000rpmオーバーしてるじゃないの!!ふつーのマブチは7000rpm台ですよ。3Vだと。

そのあと、QUAL-7で測定してみました
恐るべし着磁マブマブ

点線が普通のマブチ、実線が着磁マブチです。ゴギドンマブチ、圧倒的です!22,000rpmもまわるんですよ!
低回転数側(このグラフの右側の部分)では普通のマブチの方が優位なってきますが、これは必ずしも正確ではなく、2点のみで測定するQUAL-7の弱点であると考えています。つまり、この測定法では「回転数が落ちるにしたがって直線的にトルクも落ちる」と仮定しているのですが、ギア比を変えて測定してみると、実際にはそれほど落ちないことが分かっていますので、実際には低回転側でも着磁マブチのほうが優位であると思います。

 出力は差が大きいところで約15%増大しています。しかも消費電流もそんなに増えてはいません。

じゃあこのゴギドンで走るとどのくらいラップがあがるのでしょうか?!・・・例によってシミュレートしてみます。シミュレーションのいいところは、たとえばこういう貴重なモーターを実際に使ってラップを測定しなくても、ある程度の推測ができるところだと思います。

・・・ラップで0.51秒違います。これだけでも、ラップごとに(最高速度付近で)5m以上の差がつくことになります。ゴギドンが低速部分で過小評価されていることを考えると実際の差はもっと大きいと考えられます。

 なるほど・・・・この結果をみるとタミヤGPで禁止されるわけがわかります。一部の人にしかこういうモーターが手に入らないとしたら「一億人の」タミヤGPとしてはやはり問題でしょう。

 そういう意味では540モーターにJohnsonとマブチの2種類があって、レースでは明らかに(私のような田舎では手に入りにくい)Johnsonが優位であるという状況も問題なのかもしれません。

結論!
やはり恐竜には滅んでもらいましょう!
もうちょっというと、540は性能の安定しているマブチに絞ってもいいんでないの!?


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