ラインの最適化

このコーナーは方法論の解説が長いので、「とりあえず結論が知りたい!」という方はこのページの一番下を見てください。

当然のことではありますが、モーターパワー、タイヤグリップ、ギア比など、車体のすべてのパラメータによって”ベスト"な走行ラインは変わってきます。ここではアウト−イン−アウトの定速コーナリングを前提としたときのベストラインを探っていきます。


 これまでの走行計算においては走行ラインを固定してラップタイムを算出してきました。パラメータを変えると必ずベストな走行ラインも変わってきますので、本来なら固定ラインでは厳密な意味での比較にはならないのですが、これまで行ってきたパラメータ変化の範囲内では、ラップに対する影響もそんなに大きくないことがわかっていたので(1/100秒のオーダーです)、計算の簡略化のためにラインを固定化して計算してきました。

 逆にいうと、ライン最適化を自動化するのは、「苦労の割に報われない」と思われる作業だったのですが、ここでついに手をつけることにしました。なぜかというと、

といった動機からです。では、(はじめに考えていたより膨大な作業になったのですが)その顛末を説明します。


1. ラインの最適化を計算するには・・・・

    1. R1の最大値(R1max)、最小値(R1min)を設定し、その範囲内で仮のR1を設定する
    2. R3の最大値(R3mac)、最小値(R3min)を設定し、その範囲内で仮のR3を設定する
    3. 各コーナーの中心、接線などの幾何を計算する。
    4. R1,R3から各コーナーの限界速度を算出(V1, V3)
    5. V1からV3まで減速する場合に必要になる直線距離を算出
    6. その理論距離と、3.で計算した直線距離を比較、どちらが大きいかによってR3を増減し、2.に戻る。このループを何回か繰り返して、「ぎりぎりの減速距離」を得ることができるR3を求めることができます。
    7. 得られた「ベストライン候補」について、S字コーナー前後の直線も含めたタイムを計算します。
    8. 最小のタイムが得られる方向にR1を再設定し、1.に戻ります
    9. 以上のループを何回か繰り返し、最小タイムを与えるR1を求めることができます。


3.加減速計算の関数化


4.1コーナー〜ヘアピンまでの計算


4.ヘアピン以降のコーナーは?

全体図


5.考察、まとめ


ライン計算のできるエクセルファイルのダウンロード(v7.1)


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