ワールドドローム2002参戦記:前編
2002/06/17


 今年もワールドドロームのスーパートラッククラスにエントリーしました。

ピスト2002 ワールドドロームは、RCWorld(エイ出版)主催のRCカーレースです。最大角45°ものバンク角を持つ自転車競技用コースで行われ、たかだか40cmほどの模型自動車が時速100km/h近くのスピードでガンガン周回する世界一の超スピードレースです。

 今年も昨年同様、シャシーにデータロガーを搭載しました。

 走行中の、リアシャフトのセンサーによる回転数と、バッテリー電圧を記録することができます。

 今回の目標は、

 それぞれのファクターを変えた時に、走行データにどのように反映されるのかを検証することです。特にモーターに関して、スペシャリストの宮谷さんと共同プロジェクトとして実験を行います。

 いよいよ当日!!雨はあがったぞ!!


 今年も約180台ものドロームマシンが修善寺:サイクルスポーツセンター250mピストに集結しました。マシンを並べて集合写真を撮っているところです。

 そのころ私は!

分度器とオモリ&糸で角度測定・・
・・・・ピスト中を歩き回り、バンク角を測定していました。一体何をやっているのか (^^;

 スーパートラッククラスは、36台のエントリーがありました。

 中央の黒いのが私のです。手抜きで去年と同じデザインのボディです。
 上中央(#31)は私と同じく地元勢のヤスさんです。右下(#20)は都築さんのベルトドライブ(!)車。画像ではわかりにくいですが、何と今年はドライバー人形を載せています。カッチョイイ〜!!

What's New !? in Drome 2002
安全対策のため、コース周縁部にネットが張られました。前日協力されたボランティアの方々、本当にご苦労様でした。頭が下がる思いです。

 "マイポンダー":AMBrcシステム(RCW 2002.7月号P146参照)が使用されました。
レースごとのトランスポンダ装着の手間が不要となり、レースがスムーズに進行します。一秒でも長くこのコースで走りたいドローマーにとっては素晴らしいシステムです。

 主催者、関係者の方は毎回大変な苦労をしてドロームを準備/開催しています。いつまでもこの楽しいレースが続くように、参加者としてもコースに傷をつけない、ゴミは確実に持ちかえるなどの最低限のマナーを守っていきましょう。

 さて、レースの準備をはじめます。

 テスター、ノートPC、自作充電器、ホビーショウのとき使った説明パネル・・・・・(^^;

 ピットといえば、昨年度「お気楽RC!杯 へんなピット大賞2001」受賞の平野さんは・・・・

へんなピット大賞02!
 おお!なんか増えてる!
と、いうことで「へんなピット大賞2002」をみごと勝ちとり、V2達成です。(笑)

 準備も整い(?)、練習走行に入ります。

 二日間通しての走行は全部で8回。
 その間に上記モーターやバッテリの組み合わせをうまいこと考えてデータを取らなければいけません。
 「いい器材」(例えばマッチドバッテリー)と「悪い器材」(例えば過放電歴3回のタレタレバッテリー^^;)を、まんべんなく使わなければならないのでちょっと頭を使うところです。

 練習走行の開始。ウェイティング・エリアでドローマーたちと一年ぶりの再会です。^^)

 改修されたピストはインフィールドへの段差がないので、今回からスタート前にトリム調整ができます。
トリムはドロームの基本です。しっかりあわせましょう。

 ・・・スタート。
3chスイッチでロギング開始、そろそろとスロットルを握ります。
様子を見ながらバックストレートまでコース下を徐行、バックストレートでフル加速してみます。

 普通のRCでは考えられないほどのトップスピードに達した車体は、ターンに突入した途端、背中を見せて急上昇し、きれいな弧を描きながらバンクの中腹を駆け上がりつつ反転、バンク最深部を通過します。
 フロントをこちらに向けつつさらに加速、ターンを駆け下りた後は、浅いバンク角を残すホームストレートを疾風のごとく駆けぬけていきます。カッチョイイー!

 あ〜これこれ、この感じを味わうためにこのレースに参加するんだよね〜と、あらためて思いおこさせてくれます。

 と、アナウンス。
「7番カワニシ選手、ポンダがヒットしません。後ほど確認を。」
・・・しまった。ロガーにかまけてて、トラポンセットするのを忘れてた・・・。(^^;

 予選が始まります。
レースは実にスムーズに進行しますから自分の出走時間をあらかじめ把握し、準備しておく必要があります。
出走時間に合わせてバッテリー充電が終わるようにセット、モーターの交換、データのダウンロードと、予選の間にすることはいっぱいあります。
 が、ついつい回りの方とバカ話をして時間をつぶしてしまい、バタバタすることも多々あります。
ま、それもドロームの楽しみなのです。^^)

(イメージ図です)
 ドロームでは、その尋常でない速度のため、一度のクラッシュで完膚なきまで車体が破損する場合があります。せっかくのレースですから、クラッシュをなるべく防止するように「スポッター」が各ドライバーにつくことが推奨されています。
 スポッターはドライバーの視界の外でのクラッシュや停止している車などの情報を逐一知らせることであらかじめ危険を回避できるようにします。

 今回のレースを観戦にきていたAORcのアスガードさんがご親切にも、私のスポッター役をかってでてくださいました。
無事に2日間レースを楽しめたのはアスガードさんのおかげです。本当にありがとうございました。

 予選2回目、1ターン:イン側から2ターン中腹→バックストレートでアウトに・・・というラインを狙っていた時、
「2ターン出口でストップ車!」
アスガードさんの声にはっと視線を向けると、なんと自車の、まさにライン上数十メートル先にトラブルを起こした車が止まっているじゃあないですか!!

 ドロームにおいて、マシンの向きを急に変えることは不可能です。ステアをいくら急に切っても、マシンの向きは全く変わりません。変わらないどころか、その一秒後にはスピンなどの制御不能な状態に確実に陥ってしまうのです。このあたりの挙動に関してはクルマ、というより飛行機のフライト、といったほうがイメージ的に近いと思います。

 追突まであと40m!残された時間は1.6秒!!

さあどうする!!

後編へつづく (^^;-


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