ワールドドローム2002参戦記:後編
2002/06/18


 話は予選2ヒートに戻ります。

 追突まであと数十メートル!約1秒です。
「上方へ逃げる!」と瞬時に判断し、ぎりぎりの右ステアを切ります。
きわどいところでラインが変わり、停止車をかわせた!
 が、次は右側から壁が迫ってきます!すでにステアは切り返していたのですが、ドロームスピードではマシンの向きを変えるのがせいぜいでした。
スライド!右側の壁にリアから接触!・・・コース下に落下しました。
・・・後続車がいなくてよかったです。

 結果的にクラッシュしてしまいましたが、停止車に真正面から突っ込むよりは、はるかにましです。
タイヤがひとつ、はがれただけで済みました・・。

おお!このタイヤがはがれたの、はじめてみた・・・。

 他には大きなトラブルもなく、「超」ハイスピードを楽しみつつ予選を重ねます。
肝心の「データロギング」のほうはといえば、これがミスの連続で思うように取れていませんでした。

 ・・・と、4本中満足に取れたのは1本だけ・・という惨憺たる状況でした。
 これでは各ファクターでの比較どころではありません。やむなく、「充電器の比較」をあきらめ、バッテリーとモーターの比較に照準を絞って、二日目の組み合わせプランを立てました。

 さ、明日はがんばるぞー!!

2日目

 しまった!寝坊した!!^^;)

 ・・・レース前の充電時間がとれなくなり、いきなりのプラン変更を余儀なくされました(笑)。
予選4ヒート、5ヒートはデータ取りのために「何にもチューンしてないかわにしモーター」や、「過放電歴3回のヨボヨボバッテリー」を使ってまったりと走りました。

ロギングされたデータは、体感した速度によく一致していました。

 いよいよ予選最終、6ヒートです。ここでは「ベスト」の状態のデータ取得が目的です。
温存していた宮谷モーターBと、マッチドバッテリーをここぞとばかりに投入。

 コース・オープン。
ドロームの予選はベストラップ形式なので、あまり急いでスタートする必要はありません。
もちろん、周回してくる先頭車にからまない程度には、十分早めに出発しましょう。
 今回のログデータからもはっきりと見て取れるのですが、ベストラップは2周目に狙うのがベストです。3周目はバッテリーの電圧降下により、平均速度にして約2km/h、ラップタイムでは約0.2秒、確実に落ちます。

 スタートして1〜2ターンは後ろにも注意しながらゆっくり走ります。
バックストレートでじわっと握ってフル加速、3〜4ターンはアウト気味のラインを進みます。イン側を走行しているクルマに十分注意して、安全を確認したら

  どりゃー!!

と、心の中で叫びながら(本当に叫んじゃってる時もあるんですけど ^^;)、ホームストレートに向けて駆け下ります。

 ストレートから1ターンに突入すると同時に左ステアを切ります。バンク最深部ではニュートラルに、コーナー出口でもう一度左。うまくいくとバンクの底辺をなめるようなラインをトレースすることができます。

 バックストレートでは前後の車のスピードも考えながらラインを決めます。
勝負ラップでは、基本的にインベタねらいを続行します。

 3ターン、4ターンはドライバーから見えやすい位置です。オーバーテイクできそうなときの勝負どころでもあります。
 4ターンをぬけてこちらに向かってくる、自車の勇姿をたっぷりと堪能しましょう。

  カッチョイイー!!

 しかしこの予選最終6ヒート、さすがに周りの皆さん、速いです。
自分のマシンがとても遅く感じ、レース中は「こりゃ何かミスったか?!」と思ってました。

 予選最終結果の発表です。

かわにしは・・・・・あった!予選7位でAメインに通過!!うれしー!!
タイムを見てみると、なんと9.975!!
あの遅く感じた予選6ヒートでは、実は10秒を切る自己最高ラップを出していました!!

あ、6位に横井さんが!昨年、私と同様に初出場、共にビビリながらもにAメインに残り、いざ本番では素晴らしい走りをみせ見事2位を獲得した、私のよきライバルです。昨年の参戦記はこちら。

 予選の後はインセインクラスの走行です。
どれもこれも個性的なクルマで大盛り上がりだったのですが、注目はこれ!!

 FG,1/5を電動化したシャシーです。
なんとブラシレスモーター搭載という芸術的な改造が施されていました。すごい!!
 FGの電動化は、私も過去に試みていますので、その苦労はかなりのものであったと想像できます・・。

 実走では20セル(!)を搭載し、残念ながら目標のスピードは達成できていなかったようですが、それでも40km/hオーバーの記録はすばらしい!!それまで私の持っていた20km/hの非公認記録(^^;)はあっさりと破られることになりました。

 いよいよ決勝です!!
予定していたデータはすべて取得したので、ベストの組み合わせでいきます。
あ、でもせっかくですからデータロガーはのせたまま(^^;。

 7番グリッドからのスタートです。
決勝は4分間の周回レースですので、スタートに集中します。
あ、でもロギングスタートスイッチは忘れずに。^^)

 スタート!!

 お!タイヤグリップがいいようなので思い切って加速、イン側を狙っていくことにします。
全車密集したまま1ターンに突入していきます。

 トップのマシンが翻ってバンクを駆け上がり始めたとき、集団の真中で一台がスピン!!
後方のマシンが次々と吸い込まれていき、スピンし、舞い上がります。

 自分の車は・・・・・なんと最悪なことに、クラッシュゾーンの真中めがけて向かっていきます。
・・・もう目前です。舵角27%のステアリングでは、もはやなすすべがありません。
スピンしているマシンに突っ込んでいき・・・・・・

 もはやこれまで、とあきらめかけたその時、1ターンを駆け上がる背中のナンバー00!
なんとクラッシュを抜けてた!!4番手に浮上します。

 フル加速のあとはバンク、ストレートと場所を問わずバトルが勃発します。
さすが、Aメイン。みんな速い!なぜかパンチの出なかった序盤戦では次々と後ろにつかれ、がんばってラインをキープしようとしても、持ちこたえることができません。
やむなくラインを譲ること2回。

 しかし先を譲った前車の後ろにつくと、あれれ?追いついちゃうぞ・・・?こっちのほうが遅かったのに・・・?
ひょっとしてこれって、スリップストリームってやつ?
すげー!!ラジコンでもそんなことがあるのか!?
カッチョイイー!!

 2分を過ぎたころから、各車ともスピードが落ち、安定してきます。
レースは大混戦で、もうどれがトップでどれが周回遅れなんだかわかりません。
スピードの落ちてきたクルマを何台か抜きかえしました。
 アナウンスでは4位争いがどうの、とか、自分の名前も呼ばれてる気もしますが、バトルに夢中でそれどころではありません。

 ラスト30秒!
後ろから迫ってくるのは・・・ああっ!
横井マシンだ!!

 負けるかー!!
インを締めまくってブロックを試みますが、左右に揺さぶられ、明らかにスピードで負けています。
くっそー、速いじゃーん!!(^^;

 ラスト20秒!!
もうちょっとだ・・。
4ターン!あっ!!
抜かれた!!
しかもインから!!
くやしー!!!

 あとはそのまま追走、無事、チェッカーをうけることができました。

 ああ、今年もこれで終わりかー楽しかったなー。
カミさんと子供のいるフェンスの近くをゆっくりと走らせ、なごり惜しいバンク走行を終了しました。

「・・・4位 カワニシ選手!!」
え!?本当に!?
レース中はぜんぜん把握してなかったのですが、結局終わってみれば3番アップの総合4位でチェッカーを受けていました!!ウレシイ!!

 閉会式、抽選会・・・今年もドロームは最高でした。
あー楽しかった!!
・・・でも、最後にきれいにやられたオーバーテイク、やっぱりくやしい・・・(^^;

ではみなさん、来年もピストでお会いしましょう!!

 最後に:
 このようなレースを企画、実行してくださっているRCWorldを中心としたスタッフの方々、本当にご苦労さまです。
 毎回ドロームをよりよいものにするための努力の継続には、毎回頭が下がる思いです。
 私たち参加者にとって、WorldDromeは年に一度のお祭りであり、最も楽しみにしているイベントであり、世界一のラジコンレースであり、友人達との再会の場でもあります。
 数百人の人を、一度に「幸せ」にしてしまうことのできる力を持つこのイベントが、いつまでも続きますようにと願っております。


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