最近どーもラップが出ない。夏以降に16.4−5のベストラップはとんとお目にかかっていない。最近は17.0くらいで頭打ち。セッティングやテクニックは向上してると思うんですけど・・・
そこで得意の”遅いのは俺のせいじゃない”攻撃が始まってしまうわけです。
誰のせい?(1)「ラップが落ちたのは寒くなってタイヤグリップが落ちたからだ!」
誰のせい?(2)「あのときのモーターが[当たり]のモーターだったからだ!」
(1)に関しては、また夏にラップを測ればいいわけですが、短気な私は待ちきれません。そこで(2)について、モーターの製造ロット間のパワー差を調べたくなったのでした。また、どうせ調べるんなら走行計算にもからめて考察の材料にしたいなと思いました。
つまり回転数−トルク直線のかける機器が必要です。モーターを選ぶだけだったら他にもシンワのモータードレッサーなどがありますが、トルク評価ができません。またフライホイール加速型のRobitronic社製Pro Masterなら完璧ですが10万円以上するので購入がカミさんにばれたら即家庭崩壊です。雑誌などで調べるとシャインテクニカ社製のモーター選別機、QUAL-7が十分な機能を持っており、また冬のボーナスから交渉し勝ちとった(おおげさな・・)小遣い分でも購入可能なようです。
そこで先日模型屋に行って話を聞いてきて、即発注してきました。
本体 定価 \20,800-
モーターホルダー 定価 \3,000-
トルク特性付負荷モーター 定価 \9,800-
ギアセット 定価 \5,000-
オプションとして他に特性カーブ描画ソフト「RAKUCHIN」(定価\9,800-)もあるようですが、エクセルなどのソフトを使っても解析できるようなのでたのみませんでした。
1/28に入手しました。セットで定価\38,600-のところを\30,840-(2割引強)。
なかなか思い入れたっぷりの説明書がまたよろし。機能としては光感知センサでモーターの回転数を測定し、同時に電圧、電流も測定できるようになっています。負荷モータは内部でコイルが短絡していて、回転数に応じたトルクが定量的にかかるようになっています(ロットごとに回転数-トルク曲線グラフが添付されています)。測定モーターで(ギアを介して)負荷モーターを回転させることで、トルクがかかった状態での回転数、電流値を測定できるわけです。
で、さっそく組み立てました。モーターホルダーのアルミビスは強く締めすぎるとすぐねじが切れてしまうので注意。測定モーター用の端子にはリード線と4Pコネクタをはんだ付けして、簡単にモーターの交換が行えるようにしました。センサーの位置設定にはすこしコツが要ります。
はじめ、マブチ、Johnsonの540モーターについて説明書どおりに測定をしてみたのですが、どうもトルクが少なすぎて、どこが違っているのかと悩みました。メーカーのシャインテクニカさんとやり取りした結果、負荷モーターのトルク曲線グラフが、どうやら単位がずれていたらしく、正しいグラフから計算すると納得いく数字になりました。この件ではシャインテクニカさんにはすばやい対応をしていただいて感謝しております。
まず新品のマブチ540モーターの結果です。
設定 |
||
電圧 |
6.8V |
|
電流(A) |
効率(%) |
||||
0 |
0 |
||||
40.3 |
0 |
||||
20.8 |
55.4 |
||||
7.2 |
82.18 |
ここで得られたパラメータでの走行シミュレーションを行ってみますと、(ほかは標準状態:メルセデスボディ、TA03R)ラップタイムは16.627sでした。
ここで適正ギア比について考えてみたいと思います。タミヤGPでは予選で2分、決勝でも3-4分位の走行時間が普通ですから、このなかでバッテリーを使い切ってしまうことはまずありえないので、燃費については考えなくてもよいと思います。したがって効率よりも出力重視のギアセットがよいと思われます。
上記の計算によると周回の平均速度は8.34m/sです。この速度付近でもっとも高い出力が得られるようにすればよく、したがって8.34m/s時のモーター回転数が8550rpm(最高出力時の回転数)になるようギア比を選んでやればいいわけです。
回転数N(8550rpm) = V(8.34m/s) * R(ギア比) * 60 / D(63mm) / 3.141592 * 1000より、
R = 3.38
が最適だということになります。つまりギア比は・・・・さ、3.38!? 低すぎる。
じつは同様の結論が別のアプローチ(前回のシミュレーション)でも出ていまして、やはりこれは根拠のある数字なのでしょうか。
電流を考えてみますと、最高出力時の電流値は20.8Aで、これが仮にレース中ずーっとフルスロットル(笑)で4分間続いたとしても、消費電力は
20.8*4/60*1000 = 1390mAh
ですので1700mAhのバッテリーには余裕があります。
しかし現実的に、ギア比がここまで低いほうがいいという話は聞きません。20.8Aという電流量は540モーターにとっては酷なのかもしれません。つまりコミュテーターがネックになってそこまで電流を流せないとか、発熱が著しくてパワーダウンが先にきてしまうとか・・・・。この点に関しては今後の課題とします。