たとえば5%の車重増と引き換えに、5%のモーターパワー増が得られる、
というチューン方法があった場合、これを採用しますか?
ここまでに、ボディ関連パラメータ、車重についてどのくらいラップタイムに影響するのかを検討しましたが、どちらも「思ったほど影響するわけではない」という感触でした。
そこで、考えられるパラメータをざっと変化させてみてその影響をここで簡単に見てみます。
今回は計算システム自体への変更は行っていませんが、計算をスプレッドシート上ではなくマクロで実行するようにしました。
この改良によって、
1. ファイルサイズの縮小
2. 計算単位時間を0.01秒単位から0.001秒に精密化
することができました。2.についてはまさに「1/100秒から1/1000秒の技術へ」です。(ちょっと古い?)
このバージョンではラップタイムの比較には便利ですが、加速性能、減速性能などの表は作らないため、これらの比較にはv5.0のほうが適していると思います。ダウンロードはこちら。
モーター出力、ボディ、車重、タイヤのグリップ、ギア効率、ギア比について適当に変化させて、ラップタイムを計算してみました。ギア比については後述しますが、それ以外について下にまとめました。
パラメータを変化させたときのラップタイム(秒/周) |
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パラメータ |
ラップ(s) |
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タイヤグリップも5%の増減で0.2sもタイムが変わります。「セッティングはまずタイヤから。」と一般にいわれるゆえんだと思います。グリップはタイヤのコンパウンド、インナー、そしてサスのセッティングに大きく依存していますがこれらを定量化するのは現在のレベルでは非常に困難です。実測も不可能ではないでしょうがやはり難しく、ここは試行錯誤と経験が大きくものをいうファクターだと思います。
ギア効率については標準の数値がまったくの推量で、また「どうすればどのくらい効率があがるのか」といった感覚もありませんので解釈が難しいのですが、まあ普通にフリクションを意識して組み立てやメインテナンスを行えば気にすることはないな、と思っています。
というわけで、ここまでのまとめ。
「大事なのはやっぱモーターとタイヤでしょ。」
まあ当たり前といえば当たり前の結論。
ギア比についても実は数値を変えて計算していますが、ちょっと現実では理解しづらい結果が出ています。
この、「未知のファクター」の可能性としては次のようなことを考えています。
1. 限界電流値の存在
バッテリー、アンプ、またはモーターのいづれかにおいて、流れる電流の限界値があって、低回転数(高トルク、高電流)では単純な回転数-トルク直線からは外れてしまっている。
2. 温度上昇
モーターは走行とともに発熱し、特に低ギア比、高電流走行時で著しい。発熱によっては30%以上ものモーター性能の低下が起こることが知られている。
燃費に関しては、540のタミヤレースでは予選2分、決勝でも3、4分ですからあまり問題になりません。
バッテリーの取り扱いに関してはまだ突っ込んで考えたことはなくて知識もありませんが、とうとうここにきてその必要が出てきそうです。とほほ。
追伸:その後の考察で、別のアプローチからでもやはりギア比=3付近で最適だという結論が出ました。うう〜む。
面白くなりそうです。
最適ギア比=5.18というのはあくまで私の稚拙なドライビングテクニックによるものであって、ミスなく理想のラインを周回することができれば、最適のギア比はもっと低いところにあるのかもしれません。
当たり前だが、大事なのはモーターとタイヤ。
ギア比については謎が多し。いよいよ電流のパラメータに手を出すか!?