速度(回転数)ロガー改良版
お気楽レヴロガーPlus
けた違いの記憶力!
00/05/06
初代「お気楽レヴロガー」は0.3sごとにピニオンギアが何回転したのかを約20秒間記録できるユニットでした。これはこれでなかなかおもしろいデータがとれたりして、走行計算的の理論値との比較なんかは結構エキサイティングな結果が出ました。
ここで、すこし原点に戻って考えてみると、もともとこのユニットは、「F103お気楽化ユニット」のアンチスピン機能に必要なホイールスピンの検出、つまりピニオンの加速が通常の範囲を超えているかどうかを検出するために、「通常の範囲の加速」や、「ホイールスピン時の加速」の実測値を集めることでした。
ところが(おもに僕の知識不足から)、設計上その機能が大幅に簡略化されて、結局0.3sごとのデータ記録、という仕様になってしまったのでした。ホイールスピンは一瞬の間に起きますから、0.3sでは長すぎて役に立つデータがとれないんですねー。
そこで!izu@さんからのサジェスチョンもいただきながら、外付けのメモリを使って膨大な記憶量を確保し(といっても数十kbですけど)、ピニオンが一回転するたびにその回転時間を計測,記録するというユニットを設計しました。
計測仕様
○ピニオンが一回転する時間を計測。計測範囲は 300us〜655ms、計測単位10us。
F103は最高速度付近でもピニオンの回転周期は2ms以上ですから十分です。
○ピニオンが16,384回転する間、すべての回転を記録
ピニオン一回転で車体は約46mm前進しますから、46mmX16,384=756m走行する間の記録がとれます。
これはタミヤサーキットの場合、約5周半の距離です。これも十分!!
初代ユニットでは、計測したデータは順にLCDディスプレーに表示して、これを手動で計算シートに入力していましたが、32kbyteのデータでこれと同じことをすると、不眠不休で26時間(推定)かかってしまいますので不可能です(笑)。
そこで第2のスーパー機能!データをコンピューターに直接転送!!RS232C(いまではEIAなんとかっていうらしいですが)とかいうので直接送れるようです。このへんはAORc開発のRC2PC-AOS001を参考にさせていただきました。(というかizu@さんにソースファイルをいただいてまねした)。
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ケースに入れる前。左の黒い箱はセンサーです。 |
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PICの横にあるピンにコネクターをさしてPCと |
(1)作動テスト
とりあえずデバグを繰り返して、なんとか動くようになりました。
テストはYokomoの27Tストック(データ測定はこちら)を使い、スパーを外した無負荷状態で行ってみました。じわ〜っと加速、減速を2回ほど繰り返し、1分半ほどサンプリングできました。
その後、パソコンと接続し、WINDOWSに付属のハイパーターミナルというソフトでダウンロードします。
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16ビットデータをASCIIでキャプチャ。 |
解析結果はこんな感じモーターにピニオンギアだけつけた空回しなので、最高回転数にすぐ到達し、そこでフラットなピークになっています。
いいじゃーん!
最高回転数もQUAL-7での測定結果とまあまあ合致しているし、ちゃんと測れているのではないでしょうか。
実地テストが楽しみです。
(2)駐車場でのテスト (00/05/06)
GW。ああ、一回くらいはサーキットに出かけられるかと思ったけど、風邪ひいたりでとうとういけませんでした・・・。今日、やっと自由になる時間ができたので、さぁ!レヴロガーテストだ!・・・しかしすでにPM6:15。走行テストは、ビデオ撮影しながらのロギングをしたかったのでなんとしても日没前に!ということで急いで準備して現地のN山町SpeedWay(公共施設の駐車場です ^ ^;)到着6:30。もう見る見るうちに暗くなって行く!急げ!
で一発とったデータはこんな感じで
全データは→こちら
です。・・・膨大なデータなのでちょっと途方にくれています。グラフ上で時々不連続に飛躍しているポイントはセンサーの誤作動したポイントです。ま、このくらいなら許す。
(3)データ解析 (00/06/10)
以上のデータを前回のように解析して、ホイールスピンの時の加速度と「正常な」加速の時の加速度を比較してみて、その違いを定量化すれば「ホイールスピンを認識することのできる」ユニットに応用できます。
まず、「正常な加速」時の加速度の上限を求めてみます。走行時に撮ったビデオを見ながら、ホイールスピン時のデータを削除しました。なんせ総ポイント数16,000もあるのですからデータ処理が大変です。
なんとか正常な加速部分のみ抜き出すことができたので「車速−加速度」グラフを書いてみました。
なんじゃこりゃー!?・・・・ほんとは↓こんな感じになるはずなんですけど(初代ロガーのデータ)
今回のレヴロガーplusはピニオンが1回転する時間を毎回測定しているのですが、最高速度付近では2-3ms周期の測定となっており、かなりぶれ(誤差?)が大きいようです。前回のバージョンでは300ms間の回転数を測っていたのでデータがかなり平滑化され、きれいな数値になっていたようです。そこで、今回のデータの「5ポイント平均」および「10ポイント平均」でデータを平滑化し、同じようにグラフを書いてみました。
・・・・10ポイントではかなりまとまってきてはいます。がしかし、これをもとにホイールスピン判定を行うとすると
(1)測定誤差に起因するとおもわれる異常値がなお多く、誤判定を避けきれない
(2)データ1ポイントにピニオン10回転分測定していると、低中速域では100ms近く経過してしまい、対応が遅くなることが予想される
・・・・・という問題点が浮上してしまいました。ちょっと難しいなぁこれでは・・・。
お気楽プロジェクト存続の大ピンチ!さあどうする!!
・・・・・いやいやまだ策はあるのだよ。
ということで乞うご期待!!