走行計算 for ワールドドローム その2
基礎的なシミュレーションシステムを確立
最適ギア比の推測
08 Apr 2000


new.gif 走行計算用エクセルファイルを公開しました。このページの一番下をご覧ください。 new.gif

 注意:本ページの記述は多くの仮定を含んだ、あくまでも基礎的なものである点をご留意ください。

 ドローム開催まであと2ヶ月、準備も大詰めです。
と、いうわけでいよいよ走行シミュレーション本体の検討をはじめました。なんか違ってるような気がしますが、ま、いいか。

(1)シミュレーションシステム確立

 パラメータは過去のデータをもとに以下の値を使用しました。(かわにしはスーパートラッククラスへの参加を予定しています)

車重

1.3kg

PIC積んで重め^^;)を予想

駆動輪直径

62mm

BSR

ギア比

1.8

適宜変えて計算してみる

転がり抵抗係数

0.05

実測値より類推

空気抵抗係数

0.45

ツーリングハコボディ実測値を参考に

前面投影面積

0.02m^2

同上

回転部分相当重量

0.13kg

車重の10%

モーターパワーは以下の実測値を参考にしました。

最高回転数

静止時トルク

23T

28000rpm

1805g-cm

カワダVstock

27T

20100rpm

1770g-cm

ヨコモProstockII

まず、2000年のデータと比較するため23Tでシミュレーションしてみました。

 各ステップごとの計算はエクセルで行いました。(一部抜粋)

経過時間(s)

累積走行距離(m)

バンク角(°)

縦G

初速m/s

モーター回転数rpm

モータートルクkg-cm

推進力kg

ころがり抵抗kg

空気抵抗kg

加速推進力kg

区間加速度m/s^2

区間終速m/s

7.30 172.55 39.72 2.311 25.29 14031 0.900 0.497 0.150 0.360 -0.013 -0.091 25.283
7.40 175.08 40.62 2.329 25.28 14026 0.901 0.497 0.151 0.360 -0.014 -0.096 25.274
7.50 177.60 41.51 2.345 25.27 14021 0.901 0.497 0.152 0.359 -0.015 -0.101 25.264
7.60 180.13 42.40 2.362 25.26 14015 0.902 0.497 0.154 0.359 -0.015 -0.104 25.253

その結果は・・・、
 10秒まで加速し、その後は定常状態にはいります。のこぎり型のグラフは直線部分の加速とコーナー部分での減速を示しています。2周期分でバンク一周、ということになります。

 この計算の結果、

周回平均スピード

92.2km/h

ラップタイム

9.76s

となりました。2000年ドローム予選トップのラップが9.62sですから、まずまずの結果だといえます。

次に、ギア比を変えて計算してみました。
ギア比 ラップ(s)
1.6 9.80
1.7 9.78
1.8 9.76
1.9 9.78
2.0 9.82
かなり微妙な比較ですが、一応最適なギア比は1.8前後であると言えます。ドローム2000ではピニオン48/スパー88、ギア比で1.83の組み合わせが最も使われていたようですから、これも妥当であるといえます。

(2)ドローム2001のシミュレーション

 このシステムを使い、いろいろとパラメータを変えてラップタイムを計算してみましょう。

1.27Tモーターでの最適ギア比
 今年のドロームは27Tの支給モーターの使用が義務付けられています。この特製モーターのスペックはまだわかっていないのですが、以前測定したヨコモの27Tの測定値を参考にしました。その結果は

ギア比

ラップ(s)

1.2 11.24
1.3 11.14
1.4 11.11
1.5 11.11
1.6 11.14
1.7 11.22
1.8 11.30
・・・これはまた微妙ですが、これによると最適ギア比は1.4-1.5ということになるのかな?・・・なんか低すぎですね・・?
78Tスパー使っても、ピニオン52〜55T!!ううむ・・。一応準備だけはしときましょうか・・。公式モーターの実測も必要ですね.

2.他のパラメータを変えた時の影響

ラップタイム(s)

標準パラメータ 11.11
車重+10% +0.10
駆動効率5%ダウン +0.22
転がり抵抗5%アップ +0.06
ボディ前面面積5%アップ +0.14
モーター最高回転数5%up -0.06

 ぱっとみたかんじでは、
○駆動効率には気を使う必要がある
○車重はそれほど影響しない→PICをガンガン載せられる^^)
・・・といったところでしょうか。

 とりあえず今回はここまで。


走行計算用エクセルファイルのダウンロード

 ダウンロード後、解凍してください。
 「パラメータ&計算結果」シートの、パラメータ入力欄(車体重量〜コーナリング半径まで)の数値を入力すると右側のグラフとラップタイムの値に反映されます。計算式自体は「走行計算」シートに記述されています。


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